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珍し読後感想文〈小野不由美/屍鬼〉

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久しぶりに長ーい本を読んだ。五巻まである本なんかほんま長らく読んでへんかった。
「屍鬼」とゆうタイトルからもお分かりのようにラヴロマンスではありません(多分)。
本の感想文くらい苦手なもんはないけど、面白かったので紹介したいのね。

樅の樹に囲まれ、今なお土葬の習慣が残る山間の村「外場(まんま卒塔婆)村」。
いきなり村の終焉から始まるプロローグ。この先が楽しいストーリーでないことがハッキリ分かる。
で、そこから時間を遡り村で起こる悲劇が描かれていく。
山奥の集落での変死事件をきっかけに原因不明の病でネズミ算式に増えていく死人。破壊された道祖神。深夜に紛れる様に引っ越して来た妙な転入者。そして村人の失踪…。

とにもかくにも人物の整理が大変~。
どこどこに住む誰。その子供、そしてまたその子供。おんなじ名字や名前、職業や人となり・人物相関が複雑すぎて最初の章で挫折しそうになったわ。
でも、一人一人がどんな人物かということが後々とても重要になるのよね。

狭い村社会のまとめ役とも言うべき寺と病院。
その将来を担う若御院・室井静信と若先生・尾崎敏夫を中核にストーリーが進む。
ストーリーを1行で説明すると、

「屍鬼」と呼ばれる起き上がり(=ゾンビ)によって崩壊してゆく村のハナシ。

なーんだ、よくある人間vsゾンビの対決ものかよ。
と最初バイオハザードみたいなんを想像してたんだけど、全然違った。
この本に出てくる「起き上がり」たちは、生前と同じ人格を持っている。
変化したのは人間の血を吸わないと新しい生を維持できないという生命のあり方だけ。
人型の怪物でなく、変化した人間と言った方が正しいかも。
そして、吸血された人間はそのまま死ぬか、起き上がって「屍鬼」の仲間となるのだ。
このへんはゾンビもののセオリー通りやんね。
 
・死んだと思い嘆き悲しんだ大切な人が「起き上がって」きたら?
・それは「生き返った」と同義ともとれないだろうか。
・その心臓に杭を打ち、頭を刎ね、永遠の眠りにつかせる事が正しいことなのか?
・そうして起き上がって来たものたちは、本当に倒さなければならない存在なのだろうか?

こんな悩み、バイオハザードやったらありえへんな。
対象に意思の疎通があるかどうかはかなり大きいらしい。

「起き上がり」の存在が少しづつ現実のものと認識されるにつれ、面倒くさい!と思っていたたくさんの人物達がどんどん存在感と人間味を帯びてくる。
嫉妬や憎悪、恋愛といった感情の絡みがめっちゃリアル。
中盤以降は事件の根源となった転入者たちの身の上や、起き上がった者たちの葛藤や欲望も描かれるようになり、それがまた誰もが持ち合わせている感情で生々しいというか共感できるというか。
最初は5冊分の文章って必要なんか?と思ってたけど、全然中だるみしなかった。


人に脅威となる存在はたとえ人の形をしていても狩るべきだ。そうしなければ村の未来はない、と主張する尾崎敏夫。
対して、「起き上がり」たちの存在を否定する事が出来ない室井静信。
村人を救わなければならない立場にありながら心がついてゆかない彼の姿は、彼の執筆中の小説の主人公と徐々に重なってゆく。
ダメだ~、彼のマイノリティーっぷりには惹かれずにいられないぞ。
幼なじみと村に決別を決めた彼が取る行動は破滅的にも思えるんやけど、最後に出した答えは意外にも
「生きるとはあがくことなんだ。」
そして。。ああ~ここから先は言えません。


正解を見いだせないまま迎えるラスト。
群衆と個、生きているものと死んでいるものが対立する構図やねんけど、誰の行いが正しいかなんて全く分からん。
勧善懲悪のような爽快感は全くない。でも不快でもないんよね。
「起き上がり」という非現実なテーマの物語やねんけど、まるで現実の出来事をすぐそばで見ていたように現実味のある読後感が残った。


ここでふと思う。
「起き上がり」は呼吸なしで生きられるそうな。
ヒトが全員起き上がりになったら、CO2の排出量は激減するだろう。
6%なんてちっさいこと言わずにチーム-50%くらいいくんちゃう?
結局今のところ地球で一番不要なのはヒトなんだろうか…。



ご覧いただき感謝です。変な締めくくりになってしまった。
この感想では何やよう分からんかもしれへんけど、腰を据えて本を読みたいという方にはぜひともおすすめします!
現在ジャンプスクエアでこのマンガ版が連載中らしい。ホームページで画を見たけど…私には全く受け付けへんタイプやってアカンでした。敏夫と静信が若すぎるよ。。もっとオッサンだよ。
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コメント

読んでみたい!

コメントありがとう!
もちろんリンク喜んでOKでこちらにも入れさせてもらいます。
小野不由美氏の本読んでみたいと想いながらまだなんですよ。。。

私はもう、その長さだけで降参!

チーム~は、エコセレブでした。んまぁ私にピッタリ(爆)
しかし、この最後の突っ込みは笑えるなぁ。

この本の一巻を現在のkasparekさんの上司Mに貸して、風呂場で読まれてふにゃふにゃになり、切れてそれ以上貸さなかったことを2年ぶりに思い出しました・・・。
暗いけど、なんかぐいぐい読んでしまいますよね。この物語の波のないかんじが、とかく心に残っています。
というわけで、貸してはいけませんよ~!

随分前に読みました~
ページ数にくらくらしながらも面白かった記憶が。もう一度読んでみようかな^^
たまたまアニメで見た十二国記が小野不由美氏と知りそっちも読みましたよ~

ヘルブラウさま

リンクありがとうございました!
こちら、なかなか読みごたえがありました。機会があればぜひオススメいたします。

ぽんさま

ぽんさんもエコセレブなんですか?!
すばらしい!わたしなんかエコカジュアルですよ。何だか安っぽいではないですか。

読書家でないので大きな口は叩けませんが面白かったですよ~。

フジタさま

キレるフジタさんの姿が思い浮かびます(笑)
しかし借りた本を風呂に持って入る神経、まったくわからん。さすがM氏。
かくいう私はそのM氏から借りたツール・ド.フランスのDVD(全6本)を3ヶ月近くも借りっ放しです。。まだ1本しか観てへん。。

ぷりんさま

十二国記って、NHKでしたっけ?タイトルに聞き覚えあります。「屍鬼」が面白かったのでチャレンジしてみようかしら。
ページ数にクラクラ、分かる気がします。絶対完読できへんと思いましたもん。

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みかんです。
2005年12月3日生まれ。マーシャルフェレット/シナモン
マヌケ&お笑い担当。
★2013年8月1日 虹の橋を渡りました

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にまめです。
マーシャルフェレット/ブラックセーブル
腹黒担当。 ★2014年6月23日 虹の橋を渡りました(8さい6ヶ月と6日)


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